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ゲーム紹介
第3回 「要と百花」
矢沢 百花
清水にある高校に通う高校生で、逢坂要の幼なじみ。
大人しくやや内向的な性格。本心をあまり表に出そうとせず人に合わせようとするタイプ。
優しい性格で、実は世話好きな一面もある。
読書家で学校の成績は優秀だが、運動の方はあまり得意ではない。
常に親友の夏音と行動を共にしている。

夏音の薦めから、要と一緒に手紙の差出人を探す旅に出ることを決意するが、本人はあまり乗り気ではない。

11月1日に公開されたノベル第三回「再会」にもあるように、要と百花の再会はどこかぎこちない。百花たちが外出前だったこともあるのだろうが、仲の良かった幼馴染みが2年ぶりに出会ったにしては余所余所し過ぎるのではないだろうか?懐かしさよりも先に来る感情とはいったい何なのか?ゲーム紹介第3回は、要と百花の関係に迫りつつ、千花の死によって大きく変わっていった3人の関係について考察する。

千花の影を感じさせる手紙が届いた時、ふたりは対照的な反応を示す。

差出人を突き止めるために、故郷に帰ってきた要。
心当たりがなかったので、最初は放っておいたという百花。

この違いはいったい何なのだろうか?

<当初“差出人不明の手紙”に「心当たりはない」と答えていた百花。要の働きかけもあって、後に百花の元にも別の手紙が届いていたことが判明する。
なぜ本当のことを要に語らなかったのか?本当に忘れていただけなのか?

>要に淡々と語りかける百花。2年前の出来事――千花の死を百花は受け入れ、整理することができているのだろうか?
百花の言葉は優しい。
見え透いた帰郷の理由について問いただすこともなく、2年前――要が何も言わずに町を出て行ってしまったことを攻めることもしない。
それは彼女の性格からなのだろうか?それとも……。

さらにこのやり取りの中で最も気になるのは「かなちゃんは悪くないよ」という百花のセリフだ。これは要が町を出て行って一度も帰ってこなかったその理由を、百花が尋ねるシーンである。
これまでの情報で千花が死んでしまったことが理由で要が町を出て行ったということは想像に難くない。しかし、その事に対して「かなちゃんは悪くない」という百花のセリフの意味するところは何なのだろうか?千花が死んだのは病気のせいであって、無論、要のせいではない。だとすれば、千花の死に際して要が責任を感じてしまうような“何らかの出来事”があったということなのだろうか?


妹の報告に姉らしい穏やかな言葉を返す百花。
しかしその心の裏側では……。

千花 「私ね……要さんと付き合うことになったの。今日、告白したんだ。
玉砕するつもりだったんだけど、
何だかうまくいっちゃった」


千花が要に告白し、上手くいったことを知った百花の心中は複雑だった。
難病と闘っている妹。
残された時間がそう多くはないことは承知している。
そんな千花に、皆は優しく接していた。家族も千花を中心に動いている。
だからこそ、姉である百花の言葉は決まっていた。

百花 「よかったね、千花。じゃあこれからは私がいない方がいいのかな?」

千花が生きている間、百花は「いいお姉ちゃん」を演じ続けなければならなかったのかもしれない。
自分の感情を殺して。病の妹を励まし続けるために……。

押さえ込まれた感情の反動は、物語の随所に感じられる。
百花が差出人不明の手紙を放っておいたのも、「鍵を探すゲーム」に消極的なのも、意図的に千花のフラグメンツ――欠片から距離をおこうとしているのだろうか?

2年の月日が流れた今も、要と百花の心を捕らえて放さない千花の記憶。
夏音を加えて旅だった要たちは、ゲームマスターを見つけ出すと共に、心にできている大きな欠損を埋めるピースを見つけられるのだろうか?

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