夏休みのある日、差出人不明の手紙が届いた。手紙にはその一文だけが記され、小さな鍵が同封されていた。“矢沢千花(やざわちか)”の言葉を思い起こさせるその文面。しかしそれは届くはずのない手紙だった。なぜなら、彼女はすでに病気で亡くなっていたからだ。 これはたちの悪い悪戯なのか、それとも──。
「鍵を6つ集めれば、願いの叶う幸せの箱が開きます」そう記された手紙には、要のところへ届いたものと同じ、小さな鍵が同封されていた。いったい誰が、何の目的で──? 手紙に書かれた住所を頼りに、差出人を探す旅に出かける要たち。その向かう先々で、まるで先回りするかのように待ち受けている新しい手紙。これは誰かが仕組んだ“ゲーム”なのだろうか。
そして、要たちを執拗につけまわすトレンチコートの男。旅が少しずつ危険な空気をともない始めたとき、要たちは、この“ゲーム”に込められた本当の意味を知ることになる。
要たちは、無事に旅を終えることができるのだろうか? そして、差出人の正体と、“ゲーム”に秘められたその意味とは?