会津にある小さな町道場の一人娘であった少女。
だが父は剣で身を立てることを夢見て、少女を
残して家を出てしまう。

仕方なく少女はほとんど弟子もいなかった道場を
たたみ、江戸の会津藩邸で働いていた母のとりなしで、
会津藩主松平容保の義姉照姫に仕えることとなった。

夫を見限って再婚した母と入れ替わりに会津藩邸へ
入った少女だが、幼い頃から聞かされていた剣に
かける父の夢が、いつしか自分の夢となっていた
ことに気付く。

そんな少女の悩みを打ち明けられた照姫は、
京都守護職に就いていた容保から聞いていた
剣士集団のことを思い出す。

壬生浪士と呼ばれる、その剣士集団は、会津藩
預かりの者たちであったため、照姫は義弟容保に
少女の壬生浪士入隊の口添えを依頼した。

こうして少女は女でありながら、剣で身を立てるべく
壬生浪士のいる京へと向かう。

壬生浪士組…剣の猛者たちによって結成された
その集団こそ、後の『新選組』である。