このプロットはあくまで初期プロットであり、現在販売されている『幕末恋華・新選組』では採用されなかったものです。公開に際して、意味の通じにくい箇所、整理しきれていなかった箇所はリライトしてありますが、基本的に没ネタなんで、考証や展開に矛盾などがあっても一切無視してください(笑) 山南はとある仙台藩武家の三男坊(山南敬助は本名でなく偽名)。 仙台藩時代において既に小野派一刀流の達人。 吉田松陰と宮部鼎蔵が山南の実家に宿泊。家族ぐるみで懇意となる(母既に他界)。 二人の話(思想)に感銘を受けて尊皇攘夷(江戸幕府否定)思想に強く傾倒。 松陰が残した言葉(「勉強なされよ」)に従って脱藩。 諸国を回り見聞を広める。 千葉周作の道場で北辰一刀流を修め、周作の弟の道場にいた坂本と出会う。 坂本と将来について語り合い友となる。同時期、藤堂とも知り合う。 その後、安政の大獄を機に仙台藩内の過激攘夷思想の取締りが活発に。 松陰とよしみを通じていた山南の実家もお咎めを受け父と兄二人が切腹。 連座により(また小野派一刀流山南の仇討ちを恐れ)、脱藩藩士山南に追っ手が差し向けられる。 江戸の道端で追っ手に囲まれ父、兄たちの死と妹の失踪を聞かされる山南。 多勢に無勢で絶体絶命のところ近藤が現れて加勢。追っ手が退散。 ⇒真剣勝負なら強い近藤の見せ場かも?→でも回想だね 近藤は追っ手に囲まれていた理由も聞かず、山南を試衛館に誘う。 近藤に誘われるがまま試衛館に入る(後に試衛館で偶然藤堂と再会)。 行方知れずとなった妹の身を案じつつ、近藤(敬幕派)への恩義から思想を封印して過ごす。 仲間たちとの充実した暮らしの中、思想でなく剣に生きるのも良いかと思い始める。 脱藩の身でもあり近藤らとともに浪士組に参加、新選組の結成。 八月十八日の政変で宮部と再会し、まったく逆の立場としての再会に動揺する山南。 宮部にあわせる顔がなく敵対意思もないため池田屋出動を辞退。 以後、山南の剣が鈍る。 禁門の変で桂小五郎から妹が生きているとの情報を聞く(宮部から言付けられていた)。 「形は尊氏なれど、心は楠公」 禁門の変が悲壮な決意で行われたことを聞かされ長州に同情する。 桂は山南の手助けで逃げおおせる。 桂からの情報通り祇園で死んだはずの妹を発見。 宮部に妹と再会の恩を受け、さらに伊東甲子太郎と出会ったことで理想(思想)復活。 再会した妹(明里)は家族の切腹を目の当たりにしたことから心を病み、言葉を失っていた。 ⇒または何かの事故にあったことから失語症に 以後、足繁く明里のもとへ通うため「サンナンさんが色気づいた」と隊内で話題になる。 強引な足抜けは無理との判断から身受けをはかるも山南にそれだけの持ち合わせがない。 桂から山南に密書。金を用意するから近藤、土方を討ち取ってほしいとの内容。 (実は桂の名をかたる長州尊攘派の策略) 妹と仲間を天秤にかけて一人悩む山南。 山崎を通じて事情をそれとなく知った近藤は勘定方に刀代の名目で金子を用意させる。 お金に悩んでいた山南は近藤がまた刀を買うと聞いて近藤の散財を激しく非難。 勢い土方と新選組のあり方について激しく議論。 人間悩むとろくなことがないと山南に忠告する才谷。 才谷と山南の会話を聞いたヒロインが口止めされてたにも関わらず、近藤の心遣いを山南に漏らす。 ヒロインの話を聞き、感情に任せた裏切りを少しでも考えた自分の不明をおおいに恥じる山南。 長州から催促の使い。 縁者のもとに妹をかくまい、今後について話したいと長州藩士たちを大津宿までおびき出す。 ⇒長州と通じていたことで後々隊に迷惑をかけないよう、あえて脱走の形をとっている…とか? ⇒脱走という展開が陳腐になりそうなら、特に脱走にはこだわらない 「あなたたちには協力できない」 ものの見事に話し合いは不調に終わり、大津宿で長州勢に囲まれる山南。 山南を案じたヒロインが沖田とともにかけつける。 「我はいやしくも新選組の総長なり!」と叫び、山南は鬼の強さで長州勢を一人で殲滅。 「つまらない」とつぶやいた沖田に「それなら、私が相手してあげよう」と突然山南VS沖田の決闘。 山南「長州に与せずとも、もはや私は勤皇志士の心意気を持つ者…」 山南がなにを言っているのか分からずポカンとする主人公。 山南の眼に本気を感じて本能的に剣を構える沖田。 再び凄まじい強さを見せつける山南。 沖田に斬り合いの真の恐ろしさを思い知らしめる。 ※沖田を追い詰めたところで山南の剣が折れ、あっさりと山南が負けを認める。 ⇒さきの長州勢との戦闘で刀がぼろぼろになっていた ※真剣勝負は仲の良かった沖田への置き土産 ⇒「斬り合いにおける絶体絶命の体験」=沖田ルート 新選組に戻り、脱走、そして私情にかられ池田屋出動を拒否した士道不覚悟などを理由に切腹を願う。 尊皇志士山南としての死を選択。 伊東、藤堂が助命嘆願するも切腹が受け入れられる。 切腹前、近藤が「最近いい刀を買ったんだ」と身受けした妹を山南に引き合わせる。 切腹前の山南を目撃し、「兄さん!」と叫ぶ明里(言語障害から奇跡の回復)。 山南、笑顔で別れを告げて切腹。 その後、近藤、土方のさりげない温情措置⇒エピローグ? ※ものの見事に恋愛要素薄い。恋愛できなくもないが難しい。 ともかくプロットを切ってる寺山自身がまとめきれなくなり、お蔵入りしました。まあ、それでよかったと思います。 |