〜 ゲスト制作後記 第一回 浅乃一様 〜

 はじめまして。サウンド担当の浅乃一と申します。

 この度、PS2『幕末恋華・新選組』及び関連商品諸々をお買い上げ頂いた皆様、誠に有り難う御座いました。評判も上々との事で…正直とても「ほっ」としております。ユーザーの皆様本当に有り難う御座いました。

 制作に携わる中で起こった事や、ちょっとしたお話を…という事で招集されました。「オマケの中のオマケ」的な感じでゆるーくお楽しみ頂ければ幸いです。

 昨年末、無事に発売となった『幕末恋華・新選組』ですが、人生2作目となる乙女ゲーという事でいろいろ悩みもありました…。これまで男性向けのキャワイイ女の子がわらわら出てくる作品が多かったので、何というか、いろんな「基準」が分かりませんでした。その都度クライアント様に泣きついたんですが……。

浅乃「
乙女ゲーの萌えポイントって…どんな感じなの?」
寺山「
え…?まぁ、ほら、そんな感じですよ」
浅乃「
‥‥‥‥」

ってな感じで、全然役に立たなかったんですよね(w 今回のお話はそんな制作開始直後の事です。

★『恋華 ren-ka』こぼれ話

 関係者の皆様のお陰で、ユーザー様にもご好評を頂いた歌曲『恋華 ren-ka』ですが、開発当初はこんな指示を頂いてました。ほんの一部脚色しておりますが、基本的には実話です(w

川村「
OPだけどぉ、昔、角川映画で『野生の証明』って映画あったでしょ?」
浅乃「
はぁ、あの薬師丸ひろ子と御大高倉建出演の…」
川村「
そぉそぉ、あれの主題歌みたいなのでお願いね」
浅乃「
………え?」
川村「
♪男はーだれーもみなー、ってさぁ!」
浅乃「
はぁ……でも、個人的に結構汗くさいイメージあるんですけど…」
川村「
何言ってんの、新選組だよ、今回は!これしか無いでしょ!がっはっは!」
浅乃「
‥‥‥‥」
川村「
原曲全部知ってる?音源用意してあげようか?」
浅乃「
……いいえ、結構です」

 ある一定以上の年齢の方でないと『野生の証明』って映画自体知らないと思うんですけど、その当時では非常に有名な映画でした。日本の娯楽が一番元気だった頃…と言われる時代のお話です。その映画のテーマ曲『戦士の休息』は、曲名は知らなくても唄い出しは唄えるって人も居るくらい良く流れていたんですよね。

 こんなやり取りの末に出来上がったのが、皆様が今お聞きになっている『恋華 ren-ka』です(w ま、この曲を知っている方はおわかりだと思いますが、華麗にスルーさせて頂きました。ごめんなさい。なので『恋華 ren-ka』のデモ曲を提出した時は「イメージが違うなぁ」と言われちゃったんです。

 『幕末恋華・新選組』の制作が決まってから、趣味と実益を兼ねて大量にCDを買い込んだんですが、一番多く買ったのは玉置浩二さんの作品でした。グループ時代と違ってアコースティックを前面に出している曲が、今回の制作に良い手本になる…と思ったんです。勿論パクった訳ではないですよ、念のため(w

 そんな中、個人的に一番好きになったのはアルバム『ワインレッドの心』の13曲目『あの頃へ』です。OPってよりはEDって感じですが、「うわぁ、こんなの作りてぇー!」って思いながら何度も聴いてました。いやぁ、渋いんですよ、とても。曲も勿論良いんですが、唄がまたね、とっても良いんです。

 同時に「ED曲はこんなのにしようよ!」と提案してあっさり却下された曲がありまして…。the Indigoというグループのアルバム『BLUE』の8曲目『飴色』という曲です。こちらはかなり明るめな曲で、スタンスで言うと「主人公・鈴花の気持ち」みたいな雰囲気なんです。ま、ホントにあっさり却下されたんですが、「ED曲良かった!」というユーザー様の声を聞くと「あ、やんなくて良かった」と安心してみたりするチキンなワタシです。

 都合3曲ほど、『恋華 ren-ka』制作に関係したと思われる曲をご紹介させて頂きましたが、ご興味のある方は是非調べてみて下さいませ。ま、ちょっとした裏話です、ホントに(w

 ちなみに川村さんはとても良い人です。上で書いたような大昔の業界人っぽい発言はあまりしませんから、念のため。

 さて、今回でこの小話がうち切りにならなければ次回は…音声編集についてでも書きましょうか。その他にもネタはいろいろあるんですけどね。「かりんとう事件」とか「寺山D・人生最大の攻防」とか(w 勿論クライアント様の検閲をパスしないとNGな話ばっかりなので、ワタシの味方はユーザー様だけです。励ましのお手紙とか、随時募集中ですのでどうぞ宜しく御願い致します。

 では、こんな感じで…どうですかね?寺山さん!(w

2005年3月25日 サウンド担当 浅乃一